MT車にこだわってた私が、新型ハスラー「HYBRID X」を契約するまでの話(森崎)

20万キロのヴィッツを手放して、新型ハスラーの契約にたどり着くまで

こんにちは、森崎です。


私が自動車の免許を取ったのは20過ぎのことでした。
実家が比較的交通の便の良いところにあったおかげで、さほど車の必要性を感じなかったのです。



その後仕事をして少しお金が貯まり、「さあいよいよ車を買うぞ!」となった時、ふと考えました。

「このままではマニュアル車(MT車)の運転を忘れてしまいそう……」

そう、それまで実家の車、それに仕事で乗った車のすべてが「オートマ車(AT車)」だったのです。

当時はまだ自家用車を購入しようとすれば、車種にもよりますが「MT車」「AT車」のラインナップがあり、
・MT車はAT車にくらべて少し安い
・燃費もMT車の方が良い
どこのディーラーで聞いてもそれが普通だったように思います。

結局この時は、急遽他県へ引っ越しすることになったため、なにも買わずに話はおしまい。




引っ越し後の場所は車の置き場所がなく、仕方ないので400ccの二輪車を買うことになりました。自動車免許を取ったすぐ後で二輪中型免許も取得しておいたのです。
二輪とは言えこれも「MT車」には違いない!
ようやくここから私の「うきうきわくわくMT車人生」がスタートしたのです。

最初に免許を取ってから数年経ち、MT車の感覚なんてとっくに忘れているかと思いきや結構覚えているもので、何度かエンストを繰り返すうちにすっかり感覚を取り戻しました。

その後二輪を卒業し、ようやく車を買えるようになった時はRVRのMT車。


三菱・RVR

引越し後は仕事で使う社用車もすべてMT車しかなかったので、これが当たり前になっていました。

数年後に乗り換えた時はワゴンRのMT車。

30万キロ乗り続けたワゴンRは最後にパワーが出なくなり、ヴィッツに買い替えたのが13年前。



ところがこのヴィッツを買う頃には、
・MT車とAT車は同じ金額
・最近(13年前)のAT車はコンピュータ制御で頭が良くなっているので、MT車より燃費が良い
こんな話をどこのディーラーに行っても何度も聞かされることになりました。つまりAT車を執拗に勧めてくるのです。
結局「いまさらオートマには乗れません」と言ってMT車を選びました。




そうして2年前のこと。

ヴィッツの5回目の車検の頃に、いくつかのパーツに不具合が出始め、
・このまま車検を受けるか
・別の車にするか
と考えるようになりました。

距離計はすでに20万キロ。



走りに問題は無いのですが、今まで不具合らしい不具合は一切出ていなかったので、そろそろ調子が悪くなってもおかしくない頃ではあります。



→車検を受けようと思えばなんとか通るが、今後は修理代がかさむことも考慮していかなければならない。

→別の車にするのであれば、ヴィッツを高値で下取りしてほしい。そしてやはり次もMT車が良い!
↑こんな基準で車を見てみることにしました。


ところが、何件まわっても20万キロ超えの車を高値で買い取ってくれるところは見つけられず。
最後に行った店では「これ買い取ってもスクラップになるだけだから無理」と言う。
あなたは接客やめたほうが良いと思います、と言いたい気持ちをぐっと堪えながら大人な私は静かに店を出ました。


このお店の「スクラップ」発言で私の中のなにかが吹っ切れ、ひとまずこのまま車検を受けて乗り続ける方向性で考えることにしました。つまり「考えるのを2年先延ばしにした」ということです。
まあ結果的にさっきのお店の人にはっきり言ってもらえて良かった。


そうした結論になった理由の一つは「時間が無かったこと」。
車検が間近だったため、じっくり検討する暇が無かった。

それにいろいろなお店で最近の車を見ている間に、「今の車を処分しても、次に自分が乗りたい車が無い」ことにも気がつきました。
中古車も新車も「MT車」の選択肢がほとんど無いのです。


いわゆる中古車屋は「売れそうな車」を拾ってくるのでMT車は置かない。
そして新車には以前にも増してMT車の選択肢が無い。あってもスポーツタイプ、あるいは商用車に限定。


まさかここまでMT車が隅に追いやられることになるとは。。。
このまま2年待ったところで「MT車」がどしどし出てくる世の中になっているとは思えませんでしたが、とりあえず「様子を見よう」と5回目の車検を受けたのでした。





そうしてついに2020年。

先延ばしにしていたこの時期がやってくる。
見ないようにしていた、カレンダーの「車検」の文字が近づいてくる……。


しかもなんだかだんだん文字が大きくなっているように見える。
フォントサイズは同じはずなのに。。。

なぜ金が飛んでいく日はあっという間にやってくるのだろう。
はぁ、お金持ちになりたい。。。



「今回は早めに動き始めなければ!」


そうして空いた時間にいくつかの中古車屋をまわり、私の車探しが始まりました。
特に乗りたいと思った車はこの2年でも見つけられず。
車種を決めるところからスタートです。


探す条件は、
・MT車
・軽自動車
・安い

↑で選ぶことにしました。


まずは台数がたくさん置いてある中古車屋で話を聞きますが、
1軒目:「軽のマニュアル車は置いていますか?」→「あ〜マニュアルは無いですね〜」
2軒目:「軽のマニュアル車って、、、」→「うちには無いです」
3軒目:「軽のマニ、、、」→「ありません」
と、どこへ行っても塩対応。(※少し誇張した表現が入っています)


話をした中で、最近の軽自動車&マニュアル車の傾向を教えてもらい、その方向性でネットで検索。すぐに車種が絞られました。

・スズキアルト

スズキ・アルト

・ダイハツミラ

ダイハツ・ミラ

中古の軽自動車で、マニュアル車。これなら値段も乗り出し価格40万までで済みそう。


近県まで含めて数カ所の中古車屋に目星を付けて、休みの日に実物を見に行ってみることにしました。




まずは中古のスズキアルトから。
実物を見ると外観は悪くない。内装もきれいで申し分なかったのですが、シートに座ってみて問題発生。

「腰が痛い〜」

数年前に患ったヘルニアのせいで、低い位置に立ったり座ったりするのがきつくなっていた私には、この車の乗り降りは少し厳しい感じです。



その後に見に行ったダイハツミラのシートは多少マシではあったのですが、こちらは塗装のハゲ、板金がズレているのが素人目にもわかってイマイチ。

別の店舗にはきれいなミラもあったのですが、今度は値段が跳ね上がる。

う〜む、これはどうしたものか。。。

腰の痛みとはもう何年も付き合ってきましたが、今後も完治することはないでしょう。
例えば座布団などで嵩上げする手もありますが、どちらも天井の低い車なので私の身長では少しきつそう。

そんなわけでこの車種は候補から外すことにしました。



その後は、日産のかなり古い軽、スズキの半自動マニュアル車など見に行きますが、どれもパッとしないし、値段も結構高い。
軽自動車は売れるので値崩れしにくいとのことでした。

金額を安くすると相当前の年式になり、故障などのリスクもある。
自分で考えていた予算をグッと増やさなければ無理そう。



それにここまで見てきてなんとなく分かっていました。
自家用乗用車はほとんどAT車がメインになっているので、MT車を探すのは難儀なことだと。



そうして次に目を付けたのは、商用車。
こうなったらもう後ろに農作物を積む軽トラでもかまわない。MT車であれば!

キャリイ スーパーキャリイ | スズキ

と思って見たところ、ぎょえ〜、、、こちらも結構いい金額。

屋根のある商用ワゴンタイプも値段は高く、それでいて乗用に比べると限られた装備しかつけることが出来ません。


「条件をすべて改めないと」



そうして今度は予算を設定せずに、
・軽
・マニュアル車
・7年前までの中古
という条件で探してみること。

「7年前」という条件は「3回目までの車検を受ける頃に手放したもの」ということで、この辺ならば古すぎず、故障も少ないまましばらく乗れるのではないかと考えたからです。




条件に見合うものが出てきた中で気になったのは「スズキハスラー」という車。

スズキ・ハスラー

中古でMT車がいくつか出てきますが、金額はまちまち。

今度もまた中古車屋の目星を付けて、休みの日に県をまたいで一気にまわることにしました。


1軒目:ドア等の塗装が剥げてサビが出ているところがたくさん。車内にツーンとしたにおい。
2軒目:ここもやはりサビが結構ある。車内のツーンとしたにおいが1軒目よりひどい。
3軒目:きれいに整備してあって良い。ただし諸費用が高い。1回目の車検はここで受ける条件付きだった。
4軒目:話術に長けた店長のゴリ押しに負けそうになる。車はきれいだが高かった。
5軒目:同じ中古のハスラーなのだが、装備がゴテゴテしていた。しかも売り切れたとのこと。

そしてついに6軒目。
店に到着した頃にはあたりはすっかり暗くなっていたが、外観と車内を少しだけ確認。



装備もたくさん付いていて良いのだが、車内のにおいがとにかくひどい。


そういえば、どうしてこの「ツーンとしたにおいのする車」と「しない車」があるのでしょうか?
しかもこれ、どこかで嗅いだ事がある気がする。。。


店員に「においの原因」について確認してみると、
・以前の持ち主の体臭
・飲食時のにおいがファブリックにこびりついた
・芳香剤の強いにおい

そして最後に言われた一言、
「あとはペットですかね」
というのを聞いてピンときた。

あれは昔飼っていた犬が臭くなった時のにおいだ。
※実際にはここまでひどくありません

店員と話してもむこうはそれほどひどいにおいとは感じていない様子。
この時一緒にまわってくれていた「レンコン」も「そこまで臭くない」とのこと。
私もアレルギー持ちで鼻が利くほうではないのですが、今回まわった何箇所かの車のにおいは強烈に感じる。どういうことだろう?



店員に「このにおいは落ちるものなのでしょうか?」と聞いてみたところ、
「それはなんとも言えません。芳香剤を積んで一ヶ月もすれば慣れてしまうとは思いますけど」との事。

でもとてもそうは思えない。
だって、以前にタバコ臭い中古車に乗る機会があったが、その時はファブリーズを何本か使って、においが消えるまでに1年かかった。
今回はそれよりも強烈に感じました。

運転が好きな私にとって、車に乗る時間は楽しい時間なので、そういう点は譲れないかも。



一通り見終わってから、今日見た中で決めるしかないと思っていたところ、ネットで新古車を発見。もちろんMT車だった。でも静岡県。遠い〜。


翌日電話で話を聞いてみると、
・遠方の人でも買う人が多い
・静岡近県じゃない人は、見に来ないで注文する
・納車は、「自宅まで陸送する」または「取りに来る」どちらでもOK。陸送代がかかる。
・値引きはしない

と、こんな条件。

新古車はバイザーやマットなどの装備がなにもついていないため、最初に支払う費用はかさむのが難点だが、気になっていた「におい」や「キズ」等の問題は一切考えなくて良い。
しかも新車と同じ保証をディーラーで受けることが出来るので、今の私にはこちらの方が合っているのではないだろうか?

新車と変わらないので、当然これなら故障の心配もいらないだろう。


静岡まで見に行って契約する場合の交通費などを計算、必要な経費などを出してみたが、中古よりは高くなる。それでも中古に高い金額を払うよりはこれが良いか。
と、完全に気持ちが新古車に傾きました。


いろいろなお店をまわっている間に知ったのですが、ハスラーはモデルチェンジした新型が2019年末に発表されたばかり。
しかし新型はAT車しか設定がなく、MT車は選べない。
現状で選べるハスラーのMT車は中古か、先の新古車しかないのです。

そしてどの店に行ってもそうですが、MT車の選択肢がないから店側は値引きする必要はありません。
そこがなんとなく足元見られている感じで、値段も少し割高に見えてくる。
まあそこは商売だから当然なんですが。



それから数日。
あの新古車でいいやと思いつつ、どこか煮え切らない自分がいました。

乗り出してからの「ランニングコスト」も一応調べておこうと、ハスラーのタイヤサイズ、近いお店でそのサイズのタイヤがいくらで購入できるか?、それに優遇税制など調べていくうちに、「新古車を買う金額」「オプションパーツ」「かかる経費」等、これらを足していくと……
あと少しで「新車が買えそう」なほどになっちゃう。


そんなわけで今度は12月発表の「新型ハスラー」とやらを見に行ってみることにしました。
私が買おうとしている「旧型」からモデルチェンジでどう変わったのかを確かめておきたくなったのです。

ハスラー | スズキ

もちろん新型にはAT車しか選択出来ないのは分かっているので、営業マンが来ても「MT車しか乗らないと決めているのでっ!」と逃げのセリフも準備もしていざお店へ。


その店舗には「旧型」と「新型」を並べて置いていました。
比較対象が横にあるので、説明もわかりやすい。
詳しい話を聞いているうちに、

「あれ?この新型、結構良いかも……」

と思い始めました。
15分で気持ちはブレブレです。

旧型のシートには何度も座って確かめたけど、私には新型の方があきらかにしっくり来る。
MT車だったら即決してしまいそう。



違いを確認するだけの予定だった「新型ハスラー」でしたが、買うつもりだった「旧型の新古車」を追い越して、脳内ランキング1位になってしまいました。

それでも新車はそれなりにお金がかかる。
どうするか。。。?

→「新古車」を今買うか。

→それとも新型ハスラーのMT車が出るまで、ヴィッツの車検を受けて乗り続けるか。

→それとも……?


実は、今回次の車探しをしているあいだに、何度もヴィッツの調子が悪くなりました。
今までそんな素振りはなかったのに。
まるで手放されるのがわかっているかのようにダダをこねる。


このままいくと今度の車検では、「修理なしで車検だけ通してもらう」のは厳しいのではないか?


この事が決め手になり、最終的に選んだのは「新型ハスラー(AT車)」でした。
こだわってきた「MT車」ですが、まあ仕方ない。
自分の頭をすっぱりと切り替えることにしました。


「新古車」は装備がほとんど無いので、新たにいろいろと揃えようとすれば、新車とあまり変わりがないことも要因の一つ。
MT車に未練はありますが、金額が同じくらいなら最新の方が無難だと考えました。



最初に立てた計画からはずいぶんと予算も上がってしまいましたが、Googleマップがあるのでナビも必要ないし、バイザー・マットの他には着けたいオプションも思いつかない。販売店には気の毒なことかもしれませんが。
まあそれに長く乗れば総合的にコストも安く抑えられることでしょう。



その日はもう一軒別の店に寄り、中古のハスラーを見ました。
ここに置いてあった車は、外装も内装も今まで見てきた中古の中ではダントツで良い。
距離もそれほど走っていないのに金額は安め。

気になったのでその理由を聞いてみると、
・前の持ち主は新型に乗り換えした
・セカンドカーとして乗っていたものだったので、距離数は少なめ
・早めに売りたいから思い切った金額にした
とのこと。

新車にしようと決めていたので心は動きませんでしたが、先にこれを見ていたら決めていたかも!というほど魅力的でした。

この車の内装は今までに軽では見たことがなかった革シート。




革シートが醸し出す車内の雰囲気も、そして座った感じもすごくいい!
それまでまったく眼中になかった「革シートカバー」ですが、今度の車には絶対これだっ!と心に決めました。

いろいろ見に行って見るものですなー。


その後、下取りも含めて良い条件を出してくれたお店で注文しました。
結局動き出してから決めるまでに約2ヶ月もかかった。

それでも車検前に決めたので、納車が車検切れに間に合わなくてもその時は代車無料で借りることができます。
早く動いておいてよかった。


〜〜〜〜〜

ヴィッツに乗り始めた当初、まだうちには「犬」がいました。

数年経って犬が寿命を迎え、最後に後部座席に寝かせて火葬場まで運んだ時のことを今でも覚えています。

それから10年以上。
人懐っこかった犬がまだずっと「そこ」にいるような感覚がいつもありました。



もしかしたらいくつかの中古車で犬のにおいがしたのは、
「これは選ばないほうが良いよ」
と、動物の勘で教えてくれていたのかもしれない。


でもいよいよこの車ともお別れ、そして犬とも本当にお別れです。







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